ギターのアドリブやソロプレイに挑戦しようと思ったとき、まず最初に覚えるべきスケールがペンタトニックスケールです。
ペンタトニックスケールはロックやブルース、ジャズなどあらゆるジャンルのソロプレイで使える必須のスケールです。
しかしギタリストにとって「スケールを覚える」というのは、最初の大きな壁になります。
教則本などに載っている指板図を暗記しようとして挫折してしまった、あるいは「形は覚えたけれど、どんなふうに使えばいいか分からない」ということで悩んでいる方は結構多いのではないかと思います。
そんな悩みを持つ方のために、今回はポジションを丸暗記するのではなく、フレーズを弾き込むことで結果的にペンタのポジションをマスターしてしまうという練習法をご紹介します。
今回は、これさえ覚えておけば困らないという3つの必須ポジションと、それらに対応する3つの練習フレーズを用意しました。
※なお、今回登場する3つのポジションの詳しい仕組みや覚え方については動画内で解説しています。ブログでも後日別記事で解説予定です。
① 2+3のポジション

最初に紹介するのは、最も基本的なAマイナーペンタトニックスケールの「2+3」のポジションです。
2音+3音の同じパターンが3つ並んでいます。
この規則性を意識して指を動かすことで、スケールの全体像がつかみやすくなります。
『2+3ポジション』の練習フレーズ

① スライド
まず最初のポイントは「スライド」です。
楽譜内の「/」マークの箇所です。
3つ音が並んだところの右側の隙間にはブルーノートという音があります。
ブルーノートはペンタには含まれない音なのですが、ロックやブルースといったジャンルにおいてはほぼペンタの一部のように扱われる音で、カレーと福神漬けのような相性の良い間柄です。
この音に向かってスライドすることで、なんとなく渋い感じが生まれます。
② チョーキング
次に重要なのがチョーキング(ベンド)です。
「1/2」と書かれたチョーキングは、先ほどのブルーノートを狙った音です。
チョーキングによって、スライドよりもさらに滑らかな人間の声のような揺らぎが生まれます。
さらにもう一つ重要なテクニックがクォーターチョーキング(「1/4」の箇所)です。
これは、ブルース特有の「悲しさ」「切なさ」「やるせなさ」みたいな感情表現のためのテクニックです。
「もう少し届きそうで届かない」ような感情を音で表すイメージです。
③ ハンマリングオン
最後に重要なのが「H」のハンマリング(ハンマリングオン)です。
ほんの一瞬の動きですが、この装飾音があるだけでフレーズが自然になってなんかいい感じになります。
この動きが無意識でできるように癖づけておくのがおすすめです。
同じ動きを、場所を変えて繰り返すだけ
ここで紹介したフレーズは、ポジションを移動して同じ動きを繰り返しているだけです。
場所が変わっても動き自体はまったく同じなので、「形を覚える → 位置を変えて反復する」ことで、自然と手がペンタトニックを記憶していきます。
短いフレーズの中に、スライド・チョーキング・ハンマリングといったロックギター三種の神器がすべて詰まっているので、この練習を繰り返すだけで『何となく手を動かすだけでそれっぽいフレーズが弾ける』という感覚を掴めるようになります。
② 3+2のポジション

2つ目のポジションは、1つ目とは逆に「3つ→2つ」の並びで構成された形です。
これも同じ形を場所をずらして繰り返しているだけです。
『3+2ポジション』の練習フレーズ

ここでも大切なのは、先ほどと同じようにスライド・チョーキング・ハンマリングです。
ポジションが変わっても、フレーズのニュアンスは共通しています。
①のポジションと合わせて練習することで、指板のより広い範囲で自由にアドリブできる感覚が身についていきます。
③ 王道のボックスポジション
3つ目は「ボックスポジション」です。
指板をブロック(箱)ごとに分割したようなポジショニングで、一本の弦につき2つの音を弾く形になっているのが特徴です。

↑上図のように色々な形があって全てを覚えるのは大変なのですが、とりあえず赤い印の形(↓)だけ覚えておけばとりあえず大丈夫です。

これが最も使いやすい王道の形です。
『ボックスポジション』の練習フレーズ
これもただ形をなぞるのではなく、フレーズとして弾くことで実践的に使いこなせるようになります。

ボックスポジションの形を自由に弾きこなすためには、フィンガリングに少しコツが必要になります。
- 常に親指をネック上に出しておく→素早いチョーキングが可能になる
- 人差し指を弦から大きく離さないように気を付ける→弦移動の際は弦をつたうような動きをイメージする
主にこの2点を気をつけるようにしてください。
まとめ:自由に弾くための近道とは
今回ご紹介した3つのフレーズを弾き込むことで、それに対応する3つの重要なポジションとそれらの音の使い方のコツが自然と身に付くと思います。
3つ全てが難しければ、まずは「ボックスポジション」1つだけでもいいと思います。
この形ひとつマスターするだけでも大きな財産になります。
「たくさんのことを知らなければアドリブはできない」と思われがちですが、実は逆です。
狭い範囲(限られた音数)であっても、その中でどれだけ自由に感情を込めて弾けるかが重要です。
そうでなければ、どれだけ沢山スケールの形を暗記しても、本当の意味で使いこなせている状態にはなれません。
ボックスポジションの使い方については↓の記事でさらに詳しく掘り下げてご紹介していますので、ご覧いただければ嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


