
今回はオーディオテクニカの配信用ヘッドセット 「ATH-M50xSTS」 を実際に購入して使ってみたレビューを書きます。
ギターのオンラインレッスンや動画撮影などで音声環境を強化したくて購入したのですが、実際に使ってみて分かった メリット・デメリット を書いていきたいと思います。
1. ATH-M50xSTSを選んだ理由
ギターのオンラインレッスンを始めたため、ネット配信に適した環境を構築する必要がありました。
そのため、
- オーディオインターフェース AG03MK2 を導入
- AG03MK2の性能を引き出すには、コンデンサーマイクが必須
- ただし普通のコンデンサーマイクは大きくマイクアームやスタンドも必要で、それらでデスク周りが圧迫されることに抵抗があった
そんなときに見つけたのが、ヘッドホン+コンデンサーマイク一体型のATH-M50xSTSです。
元になっているATH-M50xはモニターヘッドホンとして定評がある定番機種で、マイクもAT2020シリーズの技術を継承しているということで、これなら一石二鳥だと思って購入しました。
2. 買う前に悩んだこと
購入前には結構迷いました。
ヘッドセットは、実は過去に一度買って手放した経験があります。
昔使ったときは「耳元で囁かれている感じ」がして気持ち悪く感じました。
ただ、今思えばこれは自分の喋り方の問題だったかもしれません。
ATH-M50xSTSは高級な機種なので、僕のようなトークスキルの無い人間にとっては持ち腐れになるのではと思ったりもしました。
でも逆に喋り下手だからこそ道具で補える部分は補ってもらわないといけないと思いますし、YouTube収益も貴重な収入源なので、きちんとトーク力も上げていこうという覚悟も生まれました(多分)
あとシンプルに価格が高いです。
下手するとコンデンサーマイクとヘッドホンを別々で揃えるより高くつく可能性があるのですが、それでも「一体型の快適さ」を優先して購入しました。
3. 付属品

イヤーパッドは2種類用意されていて、付け替えられます。
長時間作業をする人はメッシュタイプ、ミックスなど音質にシビアな使い方をする人は密閉タイプを選ぶ形になるのかなと思います。
4. 実際に使って感じたメリット
マイク音質がクリア
評判通りマイクの音質は良いと思います。
通常の大きいコンデンサーマイクと比べると厳しいのかもしれませんが、やはりiPhoneやカメラ用マイクよりは滑らかな感じの音です。
マイクが折りたたみ可能
普通のヘッドホンとして使うことも多いので、マイクがたためるのは有難いです。
顔の向きで音量が変わらない
ヘッドセットなので、マイクと口の距離が常に一定。
普通のコンデンサーマイクだと、少し顔を動かすだけで音量が変わるのですが、ATH-M50xSTSなら安定した収音が可能です。
ただ自分の場合は全然動かないのでそこまで意味もないかもしれませんが。
モニターヘッドホンとしても優秀
元になっている ATH-M50x は定番のモニターヘッドホンです。
解像度が高く、動画編集や録音、耳コピでも役に立ちそうです。
メッシュイヤーパッドが付属
メッシュだからといって全然蒸れないかというとそんなこともないのですが、合皮イヤーパッドよりは確実に通気性は良いと思います。
5. 気になった点
グースネック
マイクはグースネックのようになっていて自由に位置を動かせるのですが、さほど細かく調整する必要は感じず、むしろマイクを上げ下げするたびに微妙に位置が変わってちょっとイラッとします。
まぁでも引っ掛けて折れてしまうといったリスクも考慮すると、やはりグースが最適なのかもしれません。
ケーブルが短い
使い方によりますが、僕の場合はデフォルトのケーブル長だと取り回しがやや不便でした。
長さを足すためにXLR延長ケーブルとステレオミニ延長ケーブルを買い足しました。
故障リスク
買ってから気づいたのですが、もしマイクだけ壊れた場合もヘッドホンごと買い換えなきゃいけないのは辛いなぁと思います。
といってもこれはATH-M50xSTSだけの問題というわけではありませんが。
ペチャクチャ音の問題
これもATH-M50xSTSの問題ではありませんが、口に近いのでクチャクチャ、ペチャペチャした音が入りやすいです。
でもこれは自分自身の喋り方の問題だと思います。
自宅に引きこもってニートみたいな生活をしているため、ろくに人と話さないので、顔の筋肉が衰えるのかネチャネチャした喋り方になってしまいます。
動画編集の際にiZotopeのノイズ除去プラグインをかけているので、マシにはなっていると思うのですが、それでも気になりますし、動画編集の際にはクチャラーの隣にいるような気分で不快です。
あとやはり、耳元で囁かれているような感じになってちょっと気持ち悪いのですが、でもこれも多分自分の喋り方の問題だと思うので、根本的に何か発音のトレーニングとかをした方がいいのかもしれません。
↓トークスキルが皆無のため参考にならないかもしれませんが、この動画はATH-M50xSTSを使って録音したものです。
↓こちらは以前使っていたCOMICAのガンマイクで録ったものです。
6. USBモデルとXLRモデル、どっちを選ぶべきか
↓ATH-M50xSTSにはUSBモデルもあります。
- USBモデル
- 接続が手軽
- PC直挿しで使える
- XLRモデル
- オーディオインターフェース必須
- 音質や使いやすさはインターフェース次第で大きく向上
- ケーブルが延長できる
- ギターなど他の音源も同時に扱うならこちら
僕は YAMAHA AG03MK2 で使用するのが目的なので、XLRモデル一択でした。
ギターや歌の配信など音楽的な用途で考えている方には、XLRモデルをおすすめします。
ATH-M50xSTSのような高級ヘッドセットを買う本格派の方であれば、やはりオーディオインターフェースがあった方が絶対に便利なので。
7. おすすめの周辺機器
私が使っている YAMAHA AG03MK2 は配信用として定番の機種です。
似たような機種の中では最も機能が充実しているのでおすすめです。
XLRタイプのマイクだけでなく、2股ミニプラグのヘッドセットでも使えます。
音楽制作用途でなければオーディオテクニカ純正のインターフェースもいいと思います。
もっとコンパクトなものが良ければ、ZOOM AMSシリーズも候補になります。
8. 他のヘッドセットとの比較
ATH-M50xSTSを購入する前に、いくつか他のヘッドセットも候補に入れて比較検討しました。
ヘッドセットは安い機種になるほどリモートワークやゲーム用途のものが多くなり、音楽的な性能に優れたものは少ない印象です。
それぞれの候補についての印象をまとめます。
YAMAHA YH-G01
- 価格が比較的お手頃で魅力的。
- YAMAHAブランドへの信頼感もあり、最後まで候補に残っていましたが、ヘッドホンやマイクの評価の高さや安心感でATH-M50xSTSを選びました。
- また、ATH-M50xSTSはマイク部分が折りたたみ式なので、ギターの練習や音楽制作でも使いたかった自分にはオーディオテクニカの方が合っていると感じました。
Logicool G PRO X 2 LIGHTSPEED
- ゲーミング界隈で人気の高い印象。
- レビューを調べると「マイク音質があまり良くない」という意見が多かったので見送りました。
ゲーム用途中心であれば良いのかもしれませんが、音楽用途で使用するならやや不安が残る印象です。
SENNHEISER / AKG / Tago Studioなど
- オーディオ業界ではどれも評価が高く、気になっていましたがいずれもレビュー数が少なく、価格も高め。
- 情報が少ない状態で冒険するにはリスクがあると感じ、今回は見送りました。
オーディオテクニカはレビュー数が多く、実際に使っている人も多いため、比較的安心して選べたのが決め手です。
9. まとめ
ATH-M50xSTSは以下のような方におすすめです。
- オーディオインターフェースを使いたい
- 高品質なマイク&ヘッドホンを一体型でスッキリまとめたい
- ヘッドセットでも音質に妥協したくない
逆に、以下のような人には向かないかもしれません。
- とにかく安く済ませたい人
- マイクとヘッドホンを別々に運用したい人
総評としては、
「コンデンサーマイク+高解像度ヘッドホンを1台で完結させたい人」にとって、現状ベストな選択肢だと思います。

