ジャズのアドリブを行う上で欠かせないのが「コードトーン(コードの構成音)」を使ったフレーズの習得です。
コードトーンに関しては↓の記事で、コードのルートから始まるフレーズを色々ご紹介しました。
今回はその続編として、「ルート(根音)以外の音から始まるコードトーンフレーズ」の作り方と活用法をご紹介します。
この記事で紹介しているTAB譜の実演は↓の動画からご確認いただけます。
練習フレーズ①

このフレーズは、各コード上の5度と3度から始まるコードトーンフレーズです。
最初は、Cm7コードの上で、
- 5度(G)から始まる形 → Gm7のコードトーン
- 3度(Eb)から始まる形 → EbMaj7のコードトーン
を使用しています。
といっても、Cm7上で別のコードのコードトーンを使っていると考えるとややこしいので、全てひっくるめて『Cm7のコードトーンフレーズ』という風に丸暗記していただいていいと思います。
このフレーズはテンションを含む音使いになっているので、ジャズらしい緊張感やオシャレ感を得ることができます。
練習フレーズ②

このフレーズも5度と3度スタートのコードトーンフレーズですが、6弦スタートになっています。
このフレーズの中には、少しセンシティブな音使いが2箇所あります。
- EbMaj7上のAb音
- D7上のE音
これらはいずれもキーから外れる音なので少し不自然に感じられるのですが、個人的には許容される音使いであると考えています。
理論的にはいくらでも理屈をつけることはできるのですが、何よりもジャズという音楽の『雑さ』や『ゆるさ』によって許容されるという考えです。
アドリブというのは、いわばスラング混じりの会話のようなものです。
文法(=音楽理論)を一応は知っているけれど、実際のやり取りではもっと自由で、くだけていて、ときには型破りな言い回しが“味”になったりします(HIPHOPなんかはスラングだらけですよね)
「ミスを3度繰り返せばミスでなくなる」というぐらいのジャンルです。
なので、いい加減な音使いであってもそれを楽しむという懐の深さがジャズにはあると思います。
練習フレーズ③

3度・5度から始まるコードトーンフレーズの形を、色んなコードの上で整理してまとめて覚えるという練習です。
どの音がどう動いているか、というところに着目して練習していただくのがおすすめです。
練習フレーズ④

こちらは先ほどの練習と同じですが、6弦から始まるバージョンです。
おわりに
今回は「コードトーンのフレーズを覚える」ということを主軸に、なるべく実践的に使えそうなものをご紹介してきました。
あくまで目的は「使えるフレーズを覚えること」なので、コードトーンそのものの理解や理論的な整理については、また別の回でしっかり掘り下げて解説したいと思っています。
↑でご紹介しているペンタトニックの使い方、そして↓のコードトーン練習と今回の内容を組み合わせて練習していただければ、ジャズギターのアドリブに必要な基礎的な部分はかなり身につくと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
↓ジャズギターのレッスン動画は以下の再生リストにまとめています。


