ジャムセッションでよくやる曲 〜ファンク/ソウル/フュージョン編〜【スタンダード】

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ジャムセッションに参加したいと思ったとき、何を弾けばいいのか、どんな曲を覚えればいいのかといった不安を最初は感じるものだと思います。

セッションは、演奏を披露する場というよりプレイヤー同士が音で会話を交わす場です。
その際の“共通語”となるのが、いわゆる「スタンダード曲」です。

ジャムセッションといえばジャズが定番ですが、いきなりジャズの世界に飛び込むのはちょっと敷居が高いと感じる方も多いと思います。
そんな方におすすめなのが、ファンクやソウル、フュージョン系のセッションです。
これらのジャンルは普段慣れ親しんでいるロックやポップスに近い感覚で弾けるものが多いです。
オープンな雰囲気のセッションも多いので、最初の一歩にぴったりだと思います。

この記事では、そんなファンク/ソウル/フュージョン系セッションで定番の曲を紹介していきます。
もしこれからセッションを始めたい、あるいはレパートリーを広げたいという方は、『ジャズ・スタンダード・バイブル』を手元に置いておくと非常に便利です。
この本には、実際にセッションでよく演奏される曲が網羅されており、コード進行や形式をすぐに確認できます。

Sunny

1966年にボビー・ヘブが発表したソウルの名曲「Sunny」は、ジャムセッションシーンでも非常に人気の高い一曲です。
シンプルなコード進行なのでペンタ一発でも弾けてしまう曲なのですが、頻繁に出てくるII-V進行に対してそれに対応したジャジーなフレーズが弾けるとアドリブソロがグッと締まると思います。

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↑パット・マルティーノによるギターインストは名演として知られています。
怒涛のバップフレーズの応酬と圧巻のピッキングテクニックは必聴です。

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↑ロック〜フュージョン界では、グレッグハウのカバーも有名です。
ロック/ブルースフィーリングとジャズフィーリング、難易度の高いテクニックの全てが高次元で融合されている圧巻のパフォーマンスです。

The Chicken

「The Chicken」はジェームズ・ブラウン・バンドのメンバーだったPee Wee Ellis作曲の曲ですが、ジャコ・パストリアスのカバーによって広く知られるようになりました。
16ビートの強烈なグルーヴとシンプルなフォームが特徴です。
ジャコのライブアルバム『Invitation』での演奏は印象的で、ベースとドラムが作り出すリズムのうねりの中で、ホーンが絡み合います。
セッションでも全員でリズムのうねり感を再現できれば最高ですね。
アドリブソロにおいては、この曲は全体的に7thコードが多用されているので、7thコード上のフレーズを色々身に付けておくと弾きやすいと思います。

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↑ライブ映像です。
全員本当に素晴らしい演奏なので、必見です!

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Chameleon

ハービー・ハンコックの代表作『Head Hunters』(1973年)に収録された「Chameleon」は、ファンク・フュージョンの象徴的な存在です。
印象的なベースリフだけで場が一気に盛り上がるほどのインパクトがある曲です。
オリジナル版はもちろん、マーカス・ミラーらによる現代的なアレンジも聴いておきたいところです。
演奏ではリフのノリを崩さないことが最重要で、音数を詰め込みすぎず、余白を活かしたプレイが曲のファンクネスを引き立てます。

Cantaloupe Island

モーダルな響きとブルース的な要素が絶妙に融合した「Cantaloupe Island」も、セッションの定番曲です。
この曲のアドリブソロは、ジャジーな感じでクールにキメたいところです。
僕はなかなかキメられません。
アンサンブルがバラけやすい曲のため、リズムキープに気をつけて演奏することがグルーヴ維持の鍵となります。

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Watermelon Man

「Watermelon Man」は、1962年のハードバップ寄りの録音と、1973年の『Head Hunters』に収録されたファンキーな再解釈の2つの顔を持つ楽曲です。
ブルージーなメロディが印象的です
テーマのリズムを軽視せず、しっかりとした16ビートのグルーヴを作ることがポイントで、シンプルな進行の中にどれだけノリを表現できるかが腕の見せどころです。

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Spain

チック・コリアの代表曲「Spain」は、このリストの中ではやや高度な部類に入ります。
クラシックのアランフェス協奏曲を引用した印象的なイントロですが、この部分は省略されることが多いです。
構成が複雑なため、セッション現場で実際に演奏されることは少ない曲ですが、定番曲として必ずマスターしておきたい曲ではあります。
数々の名演が存在しますが、どの演奏も緊張感や躍動感に満ちています。
コード進行自体もとてもカッコいいので、ソロを演奏する際はついテンポが速くなったり勢い任せになってしまうのですが、落ち着きを保ってクールかつ熱いソロが弾ければとてもかっこいいと思います。

Mercy, Mercy, Mercy

キャノンボール・アダレイの演奏で知られる「Mercy, Mercy, Mercy」は、ソウルジャズの代名詞ともいえる一曲です。
シンプルな進行と耳に残るメロディが特徴で、初心者でも参加しやすく、セッション現場でも人気があります。
一体感が感じられる温かいメロディーで、プレイヤー同士の絆も深まりそうです(?)
ソロは音数を詰め込みすぎず、余白を生かしたプレイが求められるかと思います。

Feel Like Makin’ Love

「Feel Like Makin’ Love」は、スムースでメロウな雰囲気が魅力のソウルナンバーです。
途中にやや複雑なコード進行が含まれているため、僕の場合はついスケールの上下ばかりの音数の多い演奏になってしまうのですが、ゆったりとした雰囲気の中で音を選び抜くようなプレイができれば理想的だと思います。
弾くところと休むところのメリハリの意識が大切です。
ネオソウル系ギタリストやジャズミュージシャンが多くカバーしています。

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Just The Two of Us

ビル・ウィザーズのボーカルで知られる「Just The Two of Us」は、洗練された都会的なソウルナンバーで、コード進行の美しさとグルーヴの心地よさが際立ちます。
セッションではインストとして取り上げられることも多く、歌を意識したメロディアスなソロが映える曲です。
おおらかな感じで弾くことを意識すると、原曲の持つ質感を損なわずに演奏できます。

Red Baron

ビリー・コブハムの代表曲「Red Baron」は、コード進行はとてもシンプルでいわゆる「一発モノ」
といわれる部類ですが、キメフレーズがやや複雑なので注意したいところです。
ゆったりとした16ビートの中に、濃厚なグルーヴと独特の緊張感が漂います。

Isn’t She Lovely

スティーヴィー・ワンダーの代表曲「Isn’t She Lovely」は、ポップスの枠を超えてジャムセッションでも人気の高い一曲です。
明るく軽快なメロディは親しみやすく、コード進行も複雑ではないため自由度の高い演奏が可能ですが、個人的には自由度が高すぎてアドリブが逆に難しく感じます。
II-V進行やブルース進行など色々な種類のコード進行が含まれていて、ペンタ一発フレーズでもジャズ系のフレーズでも何でも合うので、ある程度構成を意識しないと散漫なソロになってしまいます。
シンプルであるが故に実力が問われる曲だと思っています。

Cissy Strut

ニューオーリンズ・ファンクを代表する「Cissy Strut」は、ミーターズ(The Meters)の代表曲です。
シンプルなリフとリズムセクションの絶妙な“うねり”がこの曲の命。
コード進行は非常にシンプルですが、だからこそ各プレイヤーのノリやグルーヴ感が試されます。
ジャムセッションでは、ギターもベースも“弾きすぎないこと”がポイント。リズムで会話するように演奏してみましょう。

Strasbourg / St. Denis

トランペッター、ロイ・ハーグローヴの代表曲。
ジャズとヒップホップ、R&Bを融合させた現代的なファンク・グルーヴが特徴です。
ハネ感の強い曲ですが、ソロはあくまでクールにきめたい曲です。

What’s Going On

1971年、マーヴィン・ゲイが発表した「What’s Going On」は、ソウルミュージック史に燦然と輝く超名曲&名盤です。
社会問題をテーマにしたシリアスな内容ながらも、優しく包み込むようなメロディが印象的です。
コード進行は比較的シンプルで、メロディに寄り添うようなバッキングを意識すると心地よい一体感が生まれます。
この曲はとにかくメロディーが命ですので、ギターはクリーントーンでの控えめなカッティングなど、とにかく歌を尊重して脇役に徹するようなプレイが求められるかと思います。

Superstition

スティーヴィー・ワンダーの「Superstition」は、ファンクでは定番中の定番といえる曲です。
原曲はクラビネットによる強烈なリフが印象的ですが、同じフレーズをギターでも弾けるようにしておくと何かと便利ですね。
コード進行はシンプルですが、16ビートのノリと「押し引き」のタイミングを合わせることで、バンド全体のグルーヴが一気に引き締まります。
セッションでは、全員でリフをユニゾンしたり、リズムを遊んだりといった自由なアプローチも楽しめます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
ファンクやフュージョン系のセッションでは、今回紹介したような曲が定番となっています。
ただし、いきなり全ての曲を完璧に覚える必要はありません。まずは自分が「これなら弾いてみたい」と思える一曲を選び、その曲を通してセッションに慣れていくことが大切です。

一曲を通して弾けるようになると、自信が生まれ、他の曲にも自然と挑戦したくなります。
それをサポートしてくれるのが、『ジャズ・スタンダード・バイブル』のような定番曲集です。
定番曲を知ることで、セッションがもっと身近で楽しいものに感じられるはずです。

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