— 田中裕介 (@tanaka_gt_x) September 4, 2025
ギタリストにとって、オーバードライブペダルは音作りの核心を担う存在です。
今回レビューする RevoL effects の EOD-03 “TERZO OD” は、3種類のドライブモードを搭載した多機能かつコストパフォーマンスの高いコンパクトペダル。
実際に購入・使用した体験をもとに、その特徴、サウンド、使い勝手を詳しく解説します。
EOD-03を選んだ理由
僕がこのペダルを選んだ一番の理由は、同じくミニサイズのマルチエフェクター GP-5 との組み合わせを考えた結果でした。
GP-5は本体で音色のエディットはできないのですが、ゲインを微調整するのにわざわざアプリを立ち上げるのも正直面倒です。
そこで、GP-5のアンシミュで最低限の歪みを作りつつ、その上にアナログのオーバードライブを足して歪み量を手元でコントロールしたいと思いました。
また、アナログのドライブペダルを使うのは久しぶりなので、せっかくなら幅広いサウンドが出せるものを選びたいと考えました。
複数のモードを切り替えて試せるEOD-03は、そんな僕にとってちょうど良い選択肢だったわけです。
3種類のモードについて
EOD-03は、1台で3種類のドライブキャラクターを切り替えられるコンパクトオーバードライブペダルです。
以下は、それぞれのモードの感想と、GP-5と合わせた時の自分なりの使い方です。
・UP
ブルースブレイカー系のマーシャル的ジャキジャキ系サウンドをイメージしていると思われます。
粒が荒い攻撃的な感じなので、クランチカッティングのようなプレイに良さそう…と思ったのですが、案外ハイゲイン系のアンプモデルに合わせるとゾンゾン歪んで良い感じです。
・CENTER
3つのモードの中ではナチュラルな感じの歪みです。
ブティック系のアンプライクな歪みといった感じでしょうか。
ただ、美味しい帯域がうまく歪んでくれない感じがするので、前段にEQかもしくはトーンコントロール付きの何かエフェクターを挟んで調整すると良さそうです。
あと、このモードはかなりボリュームが上がるので要注意です。
なぜかマーシャル系アンプモデルと相性抜群なので、ほぼマーシャルとセットで使っています。
・DOWN
TS系ミドル寄りのオーバードライブ
ボリュームがかなり小さくなるのが難点ですが、まろやかで扱いやすい音だと思います。
以前TS系のハンドメイドペダルを買ったことがあったのですが、それよりも良い音のようにも感じました。そのときとはギターもその他の機材も違うのでなんとも言えませんが。
このモードはフェンダー系のアンプモデルと相性が良いです。
あと、ハイゲインアンプのゲインをプッシュするような使い方もいいと思います。
良かった点
① 無難で安心感のある王道サウンド
第一印象は無難な感じでした。
別に悪い意味ではなく、むしろ「こういうのでいいんだよ」という感覚に近いです。
歪みの質は、マルチエフェクターでもよくある「マーシャル系」「ブティック系」「TS系」のイメージ通りです。
ハッとするような個性的な音ではないけれど、どれも扱いやすいです。
② 3種類のサウンドを1台で試せる
オーバードライブペダルも色々な種類がありますが、EOD-03は代表的な3種類の音色をシミュレートした3つのモードが搭載されているので、どんな音色がどんな場面で使えるかといった実験・学習用途にも有用です。
③ コストパフォーマンスが高い
4,000円台という価格でこのクオリティはコスパが良いと言えるのではないでしょうか。
初めてオーバードライブペダルを試したい人にもおすすめです。
気になった点
① モードごとの音量差が大きい
モードによって出力音量がかなり違い、CENTER > UP > DOWNの順で大きく変化します。
アンプでしっかり歪ませていると気になりませんが、クリーントーンでは使いにくいです。
② 低音が削られる
いわゆるトランスペアレント系ではない伝統的なオーバードライブペダルの宿命ですが、低域がガッツリ削られる傾向があります。
僕はかけっぱなしで使いたいので、マルチエフェクターのEQで低音を補って使っています。
でも本来の用途として、かけっぱなしで使うよりも、どちらかというとソロでブーストさせたりアンプに歪みを足したりするような使い方が適していると感じました。
他モデルとの比較
Revol effects には、他にも2種類のオーバードライブがラインナップされています。
まず検討したのが、NAVY BLUE OVERDRIVE EOD-01。
BOSSのBD系を意識した設計のようですが、ミッドブーストスイッチが付いているのが特徴です。
EOD-03の3モードよりもさらに実用向けな仕様な気がします。
気になるのでこちらも買ってしまうかもしれません。
もうひとつは、BREAKER EOD-02。
これはBlues Breaker系の設計で、マーシャルっぽいサウンドのようです。
ただ、EOD-03のUPモードでも一応マーシャルサウンドが得られるため、今回は見送りました。
また、メーカーは違いますが、Donner Blues Driveも検討しました。
2つのモードを搭載していますが、試奏動画を見たらそれぞれ音量にばらつきがあるようなので、この点はEOD-03同様に注意が必要そうです。
どんな人におすすめか
- 初めてオーバードライブペダルを試したい人
- ソロ時のブースト用途で使いたい人
逆に、以下のような人にはあまり向かないかもしれません。
- 常時かけっぱなしで使えるナチュラルなオーバードライブを求めている人
- モード切替を多用したい人(音量差が大きいため)
まとめ
EOD-03は、「低価格で3種類のキャラクターを試せる多機能オーバードライブペダル」です。
- ✅ 3モード搭載で幅広いサウンドメイクが可能
- ✅ 価格は4,000円台と高コスパ
- ✅ 無難で使い勝手の良い音色
- ❌ モード切替時の音量差が大きい
- ❌ 低域がガッツリ削られるのでナチュラルな感じではない
「まずは色んなオーバードライブを試したい」「マルチエフェクターから一歩踏み出したい」という人には非常におすすめの1台です。


