今回は、Valeton GP-5を実際に購入して使ってみた感想をまとめます。
購入前はIK Multimedia TONEX ONEと迷いましたが、最終的にGP-5を選びました。
小型モデルが欲しかった理由
僕がValeton GP-5やTONEX ONEのような小型マルチエフェクターを探していた理由は以下の通りです。
1. 机の上に置きたい
大きなマルチは床に置くしかなく、操作するたびにかがむ必要があります。
もちろんアプリを使えばPC上でも操作できますが、僕の場合ゲインコントロールを頻繁に行います。
そのため結局毎回アプリを立ち上げるか、かがんで操作する必要があるので面倒でした。
なので机の上で完結できる環境が欲しいと思っていたので、スペースの都合上小型モデル一択でした。
2. 音作りはアプリでいい
GP-5はアプリがないと音作りができませんが、これは考え方によってはメリットでもあると思いました。
アプリで一度作ってしまえば本体では何もいじれないので、「音作りに時間をかけすぎず、練習に集中できる」という割り切りができます。
ただ先ほど述べた通り、僕の場合はゲインコントロールだけは頻繁に行いたいという事情があります。
なので、思い切ってGP-5にアナログのオーバードライブペダルをつないでアナログとデジタルのハイブリッド運用をすることにしました。
マルチエフェクターをこういう風に使っている人は多いと思います。
僕もこのスタイルにすることで、快適な操作性を保ちながら音作りに悩む時間も減らせるのではないかと思いました。
GP-5の良いところ
小さい割に操作性が優秀
GP-5は本体だけで音作りができない代わりに、操作設計はよく考えられていると感じました。
特に、フットスイッチのモードを自由に選べるのが便利です。
色んなモードがありますが、僕が使っているのは「CTRLモード」で、このモードに設定してフットスイッチを押すと
- 特定のエフェクトのオン/オフ
- 複数エフェクトグループの切り替え
(例えば、
「コンプON / ブースター&ディレイOFF」
↕︎
「コンプOFF / ブースター&ディレイON」
といった操作です)
といった操作が可能になります。
この場合、パッチの切り替えはPARAつまみで行えます。
僕は「CTRLモード」が一番自分の使い方に合っていました。
GP-5は音作りをアプリに全振りしている分、本体は小さいながらもパッチ操作に特化した操作性になっているので、理にかなった設計になっていると思います。
GP-5のいまいちなところ
1. レイテンシー問題
音を出して気づいたのですが、若干のレイテンシーを感じます。
後で調べたら、約5ms程度あるようです。
歪ませると気にならないのですが、クリーントーンでは若干の違和感を感じます。
僕が神経質なだけなのかもしれませんが…。
でも、弾いているうちに違和感は無くなります。
レイテンシー問題はデジタルマルチエフェクターの宿命ではありますが、TONEX ONEの方がレイテンシーは短いらしいので、この点はちょっと後悔しました。
GP-5を普段の練習に使うという目的であれば個人的にはナシかなと思います。
でも僕は普段の練習はエレキギターの生音でポチポチと弾いているだけです。
機械に繋ぐのは録音するときだけなので、それなら別にいいかなと思っているのですが…、もし我慢できなくなったら別の機種に買い替えるかもしれません。
2. 音作りに沼る問題
これはGP-5に限った話ではありませんが、アンプの種類が多いです。
一見するとメリットですが、自分の場合は音作りの沼にハマる原因になります。
外部IRデータのインポートも可能ですが、これも多分使わないと思います。
世の中にIRデータは無数にあるので、こだわるほど時間を浪費します。
音作りにこだわるよりもとにかく弾くことに集中したいので、シンプルな機能で十分です。
アンプ以外のエフェクトの数は適度に絞られていて選びやすいです。
クオリティーはよく分かりませんが、Fuzz系はちょっとイマイチかなぁと思いました。
2. アプリの接続が面倒
アプリ自体はわかりやすくて使いやすいです。
ただし、接続手順が4ステップ必要なのが難点。
- GP-5本体のPREボタンを長押し
- アプリの接続ボタンをタップ
- デバイス名をタップ
- コネクトボタンをタップ
毎回この手順を踏まなければ接続できません。
些細な手間ですが、毎回となると正直面倒です。
ちなみに、以前使っていたNUXのヘッドホンアンプは電源を入れるだけで自動接続できたので、その快適さと比べると不便に感じます。
TONEX ONEとの比較
ちなみに同時に検討していたTONEX ONEを見送った理由は以下の通りです。
1. シンプルに高い
GP-5より定価が高いのと、あと最近市場価格が急に上がったため購入意欲が下がりました。
2. エフェクトのオン/オフ問題
僕はリードとバッキングでディレイのオンオフを操作したいです。
TONEX ONEだとアプリを使わないとディレイのオン/オフを切り替えられません。
アプリ操作は極力避けたかったので、この時点でGP-5に優位性が出てきました。
3.パッチ切り替え問題
TONEX ONEはパッチの切り替え操作に難があります。
A/Bモード、オンオフモードと、後は20種類のパッチを順番に切り替えていくといったことも出来るみたいなのですが、液晶画面がないためLEDの色でしか判別できなくて不便だと思いました。
GP-5は本体のつまみを回すだけで全てのパッチを選べます。
4. Bluetooth機能が無い
TONEX ONEは、モバイルアプリ自体はあるものの、USBで有線接続しなければ細かい調整ができないので、例えば外出先でスマホを使ってサッとワイヤレスで操作できないのは不便な気がします。
と言っても外に持っていく予定もありませんが…。
まとめ
GP-5は、実践的な使いやすさやスマートな操作性を求める方にはぴったりだと思います。
- 良い点 → コンパクトさ・フットスイッチの自由度
- 惜しい点 → レイテンシー・アプリの接続の手間
自分にとってGP-5がベストな選択なのかどうかまだ分かりませんが、僕自身は「練習優先」「音作りは最小限」というスタイルなので、GP-5は現時点では合理的な選択なのではないかと思っています。

