上級者っぽく弾くための3つのコツ

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今回は、『上手い人感』を出すための演奏のコツについて考えていきたいと思います。
僕は速弾きとかのテクニカルなスタイルも好きなのですが、それだけがギターの上手さを表すわけではありません。
「この人、上手いな」と感じる瞬間は、むしろシンプルなフレーズをほんの少し弾いただけの時だったりします。

今回は、そんなニュアンスや雰囲気で魅せる演奏テクニックについて解説します。
フィンガリングとピッキングで、それぞれコツがありますが、ピッキングの話は次回に回して、今回はフィンガリング(運指)に焦点を当てた3つの重要なポイントをお伝えしていきます。

「良い音」とは?

音楽における情報量の重要性

今回の話の前提として、まず「良い音」というものについてついて考えていきたいと思います。

料理に例えると、ただ甘いだけ、ただ塩辛いだけの料理は味が単調で美味しくないですよね。
様々な出汁やスパイスが複雑に絡み合うことで、深みのある美味しさが生まれます。

音楽も同じです。
音の情報量が豊かであるほど、聴く人の心を動かす演奏になります。
音楽では「豊かな音」という表現がよく使われますが、これも結局は情報の豊かさを指しています。
例えば、デジタルデータよりもアナログレコードの方が音が良いと言われるのは、デジタル化によるデータ圧縮で音の情報量が減ってしまうからです。

ギターのテクニック面でも同様です。
例えば、上級者と初心者が同じギター・同じアンプを使っても音が違って聞こえるという話がよくありますが、これはダイナミクス(強弱)の付け方、ビブラート、グリッサンドなど、さまざまな微妙なテクニックの使い分けによって一音一音の情報量が増えているからです。

では、それらのテクニックをどのように使って、情報量豊かな演奏を実現すればいいのでしょうか?
そのために普段の練習で意識すべきことが3つあります。
この3つを説明するために、まず習字や書道といったものをイメージしてみてください。

3つの段階について

ギターでメロディを弾くことは、書道で筆を使って線を引くことに似ています。

字を書く際には以下の3つの段階があります:

  1. 書き始め(筆を紙につける)
  2. 線を引く(筆を動かす)
  3. 止めはねはらい(筆を離す)

この3つの段階は、ギター演奏にもそのまま当てはまります。
つまり、音の出し方、伸ばし方、終わらせ方です。
書道で一本の線を引くのにも意識すべきポイントがあるように、ギターで一つの音を鳴らすのにも、この3つの段階それぞれに意識すべきポイントがあります。
次に、その3つの段階をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

① 書き始め | グリッサンドで音の入りを意識する

グリッサンドとは

グリッサンド(グリス)とは、音を弾く際にいきなり弾き始めるのではなく、少し左(または右)の音から滑らせて到達するテクニックです。
そうすることで唐突感が減り、自然な流れでメロディに入ることができます。
また、これからフレーズが始まるということが聴き手にも明確に伝わります。

グリッサンドのコツ:スピードが命

グリッサンドで最も重要なのはスピードです。
初心者の方によくあるのが、動きが遅くなってしまい、どこまで滑らせればいいか迷っているような自信なさげな印象になってしまうことです。

そうならないためには、目で到達位置(ゴール)を先に見ておくということが重要です。
目の焦点の先へ指は勝手に動きますから、常に目線は先を見ておくという癖をつけることで、迷わず一気にスライドすることができます。

「やりすぎ期」の重要性

グリッサンドを多用しすぎると、例えば会話で「あの〜」「え〜と」などのクッション言葉ばかりのような、ふにゃふにゃした感じの演奏になってしまいます。
しかし、練習段階ではあえて何でもかんでもグリッサンドをかける時期があってもいいと思います。
一度極端に表現する癖をつけてから、そこから過剰な部分を削っていくことで、適切な表現力が身につくのではないかと思います。

② 線を引く | ビブラートをかける

ビブラートの奥深さ

ビブラートとは、音を揺らすテクニックです。ビブラートは非常に奥が深く、人それぞれ多種多様で個性が出る部分でもあります。
最も一般的と思われるやり方については↓の動画で解説しています。

どんなビブラートをかけるべきか

ビブラートには様々な種類があります:

  • 小刻みに細かく揺らす
  • 大きくダイナミックに揺らす
  • 横に揺らす(ジャズギターやアコースティックギターなど)
  • あえてかけない

どのようなビブラートが適切かは、その時のフレーズや状況次第です。

練習方法:まず大げさに

練習方法としては、一番大げさな状態、つまり大きく揺らす練習から始めることをおすすめします。
音を伸ばすときはとにかく何でもかんでもビブラートをかける、という感じです。
一旦やりすぎなくらいやってから、先ほどのグリッサンドと同じように大袈裟な表現を削っていくことで、その時々で適切な表現を選択できるようになります。

③ 止めはねはらい | 終わらせ方が最も重要

後始末の難しさと重要性

書道においても「止めはねはらい」という言葉があるように、終わらせ方が最もバリエーション豊富でかつ重要です。

何をするにしても後始末が一番難しいものです。
料理の洗い物、キャンプの後片付けが一番面倒ですよね。
でもそれが一番大事なことでもあります。

音の終わらせ方のバリエーション

ギターにおける音の終わらせ方には様々な方法があります:

  • グリッサンドで終わる
  • 微妙なチョーキングで終わる
  • ピタッと止める、など

その中でまず身につけて欲しい音の終わらせ方は、やはりグリッサンドです。グリッサンドで始まり、グリッサンドで終わるという流れを意識してみましょう。

音を切るタイミングの見極め方

また、どこまで音を伸ばしてどこで切るかというタイミングが非常に重要です。
その見極め方は、フレーズを軽く口ずさんでみることです。
そうすると感覚的に分かります。

ただ、その自然な感覚を身につけるためには、上手い人のコピーをするしかありません。
ギター講師の僕がこんなことを言うのも何なのですが、ギターレッスンを100回受けるより、何か一つを徹底的にコピーする方が効果的と言っても過言ではありません。

コピーする際には精度が非常に重要です。
どの音を弾いているかだけでなく、その音をどんな風に伸ばして、どんな風に終わらせているかというところまで注目して細かく聴いていくことが大切です。
そうすることで、自然と理想的な弾き方に近づいていけます。

まとめ

『上級者っぽい』演奏を実現する3つのテクニックをまとめます。

  1. グリッサンドで音の入りを意識する
  2. ビブラートで音に表情をつける
  3. 音の終わらせ方を丁寧に

普段の練習の際にこれら3つの要素を意識することで、一音一音の情報量が増えて、上手そうな感じの演奏が実現できると思います。

やりすぎは禁物でバランスが重要ですが、そのバランス感を身につけるためにも、まずは意識的に大げさに練習して徐々に最適なバランスを見つけていきましょう。
そして何より、上手い人の演奏を精度高くコピーすることが最も確実な上達への道です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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